一昨日、ちらりと予告があった「イシュトバーン君のハンガリンキッチン」が、いよいよ始まります♪ちなみに、イシュトバーン君の希望により、ニックネーム無しで行きますね。
でもやっぱり長いなあ・・・。
「イシュハンキッチン」とかだめだろうか?だめだろうなあ。
では、ここからハンガリーの由美さんにバトンタッチです。
【イシュトバーン君のハンガリアンキッチン】
第1回トルトット・パプリカ(Töltött paprika)
第1回トルトット・パプリカ(Töltött paprika)
■ 材料(4人分)

*カリフォルニア・パプリカ(赤)・・・4コ
*豚ひき肉・・・400g
*米・・・1/2カップ強(調理用の水は1カップ強)
*玉ねぎ・・・小1コ
*卵・・・1コ
*ニンニク・・・ひとかけ
*パプリカ粉・・・小さじ1くらい
*イタリアンパセリ(通常のパセリ可)・・・10本くらいをみじん切り
*トマトピュレ・・・100gくらい
*水・・・1ℓ
*砂糖・・・大さじ1/2~適宜
*薄力粉・・・30g
*サラダオイル・・・大さじ2くらい(調理用は別)
*塩、こしょう・・・適宜
*付け合わせ用ジャガイモ・・・1㎏~1.5㎏(調理時に小さじ1の塩)
みなさま、こんばんは。
ブダペストは、夜です。
そうなのです、イシュトヴァーン先生は平日の仕事を終え、そのまま直行でわが家へ料理を作りに来てくれることになりました。
なので料理教室は、夜なのです!
夜ってことは、ちょっとシックな雰囲気になるかな~?大人の時間?なんて思ったものの、それは全くの見当違いだったようで、「私たち、元気ですっ!」と意味もなく誰かに報告したくなるような、どことなーーく、夏合宿の夕飯作りって感じ。
どうしてだろうか?
まだ少年の面影を残された先生の穏やかな笑顔。
私への気遣いもあるのでしょうが、場を盛り上げようと無理する様子を感じさせることなく、自然に会話がはずみます。
そっか、でもこういう気遣いもまた「大人」と言えるのかもしれませんね。
そんな大人の振る舞いをしてくれる相手に、いくらこの私でもイジメるなんてこといたしませんよ。
大丈夫、新しい先生を大事にしますってば、お約束します!って、誰に?(笑)
さて、今宵はトルトット・パプリカをご紹介いたしましょう~♪

赤いのが日本でも手に入る肉厚のパプリカ。
黄色っぽく細いのがハンガリー特産パプリカ。
ハンガリーではこのパプリカを料理にも使えば、生でカリカリとかじりもします。
肉厚パプリカと比べ、さっぱりとみずみずしい味です。
残念ながら日本での入手は無理かと思いますので、どうぞ肉厚パプリカで代用して下さい。
撮影用にイシュトヴァーン先生には2種類で作っていただきましたので、ご参考までに!
≪作り方≫

素人(私)による夜の室内撮影の為、少々ピントもズレれば、色も暗めでボケちゃいます。
すみません、この点はお許し願います。
せっかくの記念すべき仕事始めの”玉ねぎみじん切り”も、先生の顔がボケボケ。
主役は奥に写っている蛍光灯じゃないんですけどねぇ。

水からお米を”煮ます”。 沸騰してから10分間、たまにかき混ぜながらクツクツと。
その合い間に、玉ねぎのみじん切りをサラダオイルでよく炒めます。
写真にあるように”二刀流が必須”ってわけじゃありませんよ。
ただ先生が喜んで「ほら、両手だよ~ん♪」って・・・・・

固めに調理できたお米はザルにあげてお湯を切り、玉ねぎも火からおろし、それぞれ冷めたら、大き目のボールへ移します。
そこへ挽き肉・卵・おろしニンニク・パセリ(半分量)・パプリカ粉・塩こしょうも加え、まだ熱ければ木ベラなどで混ぜ始め、最後に手で全体をよく混ぜ合わせます。
ここでイシュトヴァーン先生から:
「しばらくこの状態で休ませて。米と肉が馴染んで美味しくなるからっ。この秘訣、お母さんからの大事な忠告だから、ユミ、忘れずに書いてねっ!」だそうです。
やはりここにもママっこが・・・
はいはい、ちゃんと書きましたよ~♪

パプリカのヘタを取ります。
このようにナイフで切りこみを入れて・・・

エイッと引っ張れば、そう、こうなりますね。
ヘタの取り方には他の方法もあるのですが、肉厚パプリカなので、無理せずナイフを使います。

さあ、パプリカへ挽き肉を詰めてゆきましょう!
わずかなお団子状にした肉を、ギュッギュと押しこむように詰めます。
最後は平らよりもすこーし凹んだくらいの詰め具合が理想かと。

うーん、きれい。
具のひき肉があまったら、適当な大きさの肉団子にして下さい。
はじめからこの肉団子だけで作るバリエーションもあるくらいなので、小さなお子さんにはこちらも良いでしょう。

おっと忘れずに! 付け合わせ用のジャガイモを小さじ1の塩を加えたお湯で柔らかく茹でておきます。
先生は今回くし型に切りつつも「好きなようにどうぞ~♪」だそうです。
要はソースにからめて食べやすいような形と大きさ、ということですね。
9)
煮込み用の鍋に、トマトピュレ、水、残りのパセリ、塩小さじ1、コショウ少々をよく溶かし、一旦沸騰させます。

そこへ肉詰めしたパプリカを入れます。
中火で煮込みます。

途中、パプリカを上下にひっくり返しながら、火の通りの様子を見て下さい。
20分~30分ほど煮たら、一旦取り出します。
ここで、残っている煮汁に少し水を加えて、あとで水分が少なめにならないように、あらかじめ調節しておきます。

フライパンで”とろみ付け”の為の薄力粉を炒めます。
サラダオイルを熱し、粉を加えてよく炒めます。
お互いがよく馴染んできたらそこへ、煮汁をおたまで2杯くらい加え、ダマにならないようによく混ぜながら、全部を煮汁へ加えます。

ここで砂糖も加えて3分ほど、かき混ぜながらよく煮詰めます。

そこへ肉詰めパプリカを戻します。
ここで余っていた肉団子も加えて、最後まで火が通るように仕上げます。

これくらいの煮込み加減になったら出来上がり。

で、いざ開封という頃に「ヤヤヤッ!? これ(開け口が)コルクのじゃなかったー」と、ちょっとそのあたりはこだわっておられたましたが、試飲後の感想もまずまず。

それにしてもこの料理、私自身もこれまでに何度作ったことか。
私のレシピももちろんハンガリー人から教えられたものですが、今回のと比べても、作り方やちょっとした材料などに違いがあります。
人それぞれに違うレシピでありながら、最終的には同じように美味しく仕上がるのは、きっとパプリカの力によるところも大きいのでしょうね。
それから、挽き肉へお米を加えるところも特徴の一つ。
日本人の感覚では驚きかもしれませんが、これはたぶんトルコあたりから広まったのでしょう、ハンガリーだけでなく、周辺の国々ではごく普通にみられる組み合わせです。
こちらではロールキャベツへも同じくお米と合わせた挽き肉を具として使います。
ある人に言わせれば、そうすることによって柔らかい食感になるからだということで、確かに加えるお米がわずかだと、かえって肉の繊維や固さ感じることになり、ほど良い(というか、日本人感覚で多めの)割合だと、味もやさしくなります。
今宵のトルトット・パプリカもまわりのパプリカが柔らかくとろっと炊けて、中身の具合もちょうどよく、それらが甘酸っぱくもちょっと香ばしげなトマトソースにからまって、、、
これは食べたそばからすぐにまた食べたくなる味です。
先生がおっしゃっておられました:
「料理って、作っている間の沸き上がってくる喜びこそが、いいよね。」
↑そうそう、それそれ、全面的に賛成~~っ!!
あー、おいしかった~♪ ご馳走さまでした!
あれ、ここで私一人が満足している場合じゃありませんよ~。
どうぞ皆さまもお試しくださいませ~♪
*おしまい*
ちなみに、由美さんも書かれていますが、私も西はドイツ、東はチェコ、スロバキア、もっと東に行けばトルコでロールキャベツを食べましたが、どこもひき肉にお米が入っていました。
以来、我が家ではロールキャベツにはお米を入れるように。残って冷凍してあるご飯を適当な分量で入れるか、無いときは生米のまま入れてしまいます。
お米が汁を吸って中まで味が染みて本当に美味しい!どうぞ、皆様もお試しくださいね。
ところで、色んな国でロールキャベツを食べましたが、安い食堂ほど米の分量が多い、というのも発見でした。ある意味、経済料理ですねー。
ミタ


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最後はワインなんて、ゲルゲイ君とは違う大人の雰囲気がありますね~~。